不用品回収業者の選び方完全ガイド：信頼性を見極める6つのポイント

国民生活センターが2022年11月2日に公開した「不用品回収サービスのトラブル‐市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意！‐ 」によれば、2018年度には不用品回収業者に関する相談件数は約1,354件でしたが、2021年度には2,231件に達しました。4年で約60%増えており、不用品回収業者に関するトラブルが深刻化していることを示しています（グラフ1参照）。

グラフ1：年度別相談件数

また、月別相談件数のデータでは1ヶ月あたり200件以上の相談が寄せられている月もあり、特定の月にトラブルが多く発生していると理解できるでしょう（グラフ2参照）。

グラフ2：月間相談件数

年度始めの引越シーズンや大掃除が行われる年末などは不用品回収の需要が高まり、それに伴いトラブルも増加する傾向があります。具体的なトラブルとしては、

• 回収業者が見積り時に提示した料金よりもはるかに高額な請求を行う
• 不用品を全て回収してもらう前提で依頼したにも関わらず、トラックの荷台に積める分しか持ち帰らない
• 回収作業中に自宅や物品を傷つける

などが挙げられます。こうしたデータをみても、慎重な業者選びが不可欠だと理解できるのではないでしょうか。

不用品回収業者と消費者のトラブルが後を絶たないことから、国や地方自治体も対応に動き出しています。環境省の「違法な不用品回収業者対策（令和6年実施）」には、こうしたトラブルを社会的な問題として認識し、セミナーを通じて消費者への情報提供を強化したことに加えて、セミナー参加者を対象に行なった詳細なアンケート結果も記載されています。

地方自治体も、公式サイトなどを通して関連情報の公開を積極的に行なっています。相談窓口を設置し、トラブル発生時には迅速に対応できる体制を整える自治体も増えています。

北海道でも多くの自治体が、公式サイトで詳しい注意喚起を行なっています。お住まいの自治体での対応について「ご自身の住んでいる地域名　不用品回収業者」と検索してみると、情報が得られるかと思います。

信頼できる業者を選ぶために、オフィシャルな情報も活用して注意を払い、適切な選択をするよう心がけましょう。

万一、トラブルに遭遇してしまったときのために、消費者庁の「消費者ホットライン」も覚えておくと安心です。消費者ホットラインは、トラブルに直面した消費者に対して適切なアドバイスを提供し、問題解決への道筋を示すための窓口。専門の相談員からアドバイスを受けられます。地方自治体が設置している消費生活センター、消費生活相談窓口などの案内もしてくれます。消費者ホットラインの番号は188、相談料はかかりません。

不用品回収業者の選び方として大事にしたい目安のひとつに、利用者のクチコミや、その業者の対応実績があります。候補として考えている不用品回収業者の名前をネット検索すると、おそらく何らかのクチコミや評価にヒットするでしょう。

これらを参考にすることで、その業者の信頼性やサービスの質を事前に把握できます。ただしクチコミがヤラセでないかどうかには、注意が必要です。

長年の実績がある業者は豊富な経験から、いい対応が期待できる可能性が高いです。具体的な事例・実績をウェブサイトで公開している業者は、信頼性が高い傾向があります。

こうした情報を参考にすることで、安心して任せられる不用品回収業者を見つけられるでしょう。

料金体系のわかりやすさも、不用品回収業者の選び方として非常に重要です。

明確な料金体系を提示している業者は、信頼性が高い傾向にあります。あいまいな料金設定をしていたり、追加料金が発生する可能性のある業者には注意してください。

料金に関するトラブルを避けるために、見積りが無料で、かつ的確に行われるかどうかを確認しましょう。
見積り内容を詳しく説明してくれる業者なら安心です。見積り時に追加料金の有無や料金の内訳を確認することで、後々のトラブルを避けられます。

透明性のある料金体系の業者に、不用品回収を任せましょう。

不用品回収業者の選び方においては、丁寧かつ迅速な対応ができるかどうかも重要なポイントです。

問い合わせや見積りの段階から、対応のスピードや丁寧さを確認することで、信頼性とサービスの質を判断する材料になります。スピーディーな対応は、急いで不用品を処分したい場合にも助かります。

具体的には、電話やメールでの問い合わせに対する返信が早く、質問・要望に対して親切に対応してくれる業者なら安心でしょう。
また、実際に作業を行うスタッフが丁寧で、礼儀正しいかどうかも重要です。

利用者のクチコミや評価も参考にしながら、対応の良し悪しを見極めてください。

所在地が明確であることも、信頼性を判断する重要なポイントです。所在地が不明確な業者はトラブルが発生した際に連絡がつかない、対応が遅れるなどのリスクがあります。

トラブル発生時に、連絡がつかないようにしている悪質な業者も存在するようです。
所在地がはっきりしている業者は、責任を持ってサービスを提供している証拠といえるでしょう。

不用品回収業者選びの際は公式ウェブサイトや名刺、チラシなどに拠点が明記されているか確認しましょう。Google map等の地図サービスで、実際の場所を確認するのもお忘れなく。

一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているかどうかも、不用品回収業者を選ぶ際には極めて重要です。公式サイトやチラシなどに、一般廃棄物収集運搬業の許可番号の記載があるかどうかを確認してください。

許可なく不用品回収業者として営業していたら、それは違法です。

さらに、古物商許可や産業廃棄物収集運搬許可、遺品整理士の資格などがあれば、特定の古物や廃棄物の取り扱いが可能で、サービスの幅が広がります。しかし、これらだけでは一般家庭からの不用品回収はできません。

必ず、一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者に依頼しましょう。

環境への配慮も、欠かせないポイントです。悪質な不用品回収業者による不法投棄は社会問題となっており、依頼する側が知らずに、不法行為に加担していることも残念ながら珍しくありません。

こうした問題を避けるためにも、環境に配慮した不用品回収業者を選ぶことが大切です。

公式サイトで環境方針を明示している業者や、リサイクル実績を公開している不用品回収業者は信頼性が高いといえます。回収した不用品を適切にリサイクルし、再利用できるものは可能な限り再利用する方針をもっている不用品回収業者を選びましょう。

チラシなどに「無料回収」「激安回収」と記載している不用品回収業者は選ばないよう、注意が必要です。無料、あるいは激安で不用品を回収するという謳い文句は一見お得に見えますが、高額な追加料金を請求されるリスクや、不法投棄をしている可能性がともないます。

無料・激安を謳う不用品回収業者の多くは回収後、事前に聞かされていなかった項目で追加料金を請求してきて、トラブルに発展するケースも少なくありません。

また、回収料金を激安に設定して、廃棄物を不法処理する業者も存在します。

まともな不用品回収業者なら料金に透明性があり、事前に詳しい見積りを提示します。無料、あるいは激安回収の情報を見かけても、依頼しないようにしましょう。

アポイントなく訪問してくる不用品回収業者にも要注意です。突然の訪問は、詐欺や不正ビジネスの一環として行われることがよくあります。

こうした不用品回収業者は、緊急を装って高額な料金を要求したり、不法な回収・処分を進めるのが常套手段です。見積りを取る機会を与えずにサービスを強引に進め、後でトラブルになることがあります。回収を依頼した不用品が不法処理されれば、依頼者自身にもリスクが及ぶでしょう。

事前に連絡を取り、しっかりとした手続きと明確な料金体系を提供するのが、まっとうな不用品回収業者です。突然やってくる不用品回収業者を選ばないようにしましょう。

拡声器を使って「無料廃品回収」などと言いながら、住宅街を巡回している不用品回収業者にも気をつけましょう。

このような業者の多くは高額な料金を請求したり、回収した不用品を横流しするなどのリスクがあります。消費者に対して、強引なアプローチを行うことも多いようです。拡声器を使っていれば、騒音トラブルを引き起こしている可能性も考えられます。

適正な不用品回収業者は、公式ウェブサイトや店舗での営業を行い、適正な方法で顧客とコミュニケーションを取ります。拡声器などで呼びかけてくる不用品回収業者も、選ばないのが賢明です。

倉庫を持っていない不用品回収業者や会社の住所が不明瞭な業者にも、注意が必要です。

不用品回収に倉庫は必需品です。倉庫がなければ回収した不用品の保管は難しく、不法投棄などのリスクも想像に難くありません。

また、会社の住所が不明瞭な不用品回収業者も要注意です。所在地がはっきりしなかったり、ビルやマンションの一室のみで倉庫が見当たらなければ、どのように不用品の回収・保管をしているのか分かりません。

信頼できる業者は、適切な保管設備を持ち、所在地の情報をきちんと提供しています。倉庫の有無や住所の確認も、安全・確実な不用品回収につながるでしょう。

見積り時に明確な料金が提示されても、作業後にキャンセル料や追加料金が追加請求されることも珍しくありません。例えば、回収作業が終わった後に「追加料金が必要」と言われるケースや、キャンセル時に高額なキャンセル料を請求される可能性があります。

見積りが提示された段階で「この金額以外に追加料金が発生することはありませんね？」と確認しましょう。追加料金の可能性があると言われたら、それらの料金についても詳しく確認し、文書などに残してもらうとなお良しです。

追加料金が発生しないよう事前に料金体系をしっかりと確認し、納得のいく不用品回収業者を選びましょう。

携帯番号を使用している不用品回収業者も、企業としての信頼性に疑問が残ります。

固定電話をもち、顧客からの電話にはフリーダイヤルを案内している会社は、しっかりした法人登録や事務所を構えている可能性が高く、トラブルの際の対応も迅速です。

一方、携帯番号のみを表示・使用している業者は、所在地や連絡先が不明確な場合があり、万が一のトラブル時に連絡が取れなくなるリスクもあります。フリーダイヤルの表示も、安心して利用するための基準のひとつといえるでしょう。

ホームページなど独自のコンテンツがない不用品回収業者も、信頼性に欠ける可能性があるでしょう。企業としての情報発信が少ないとどのような実績があるのか、どのような対応をしてくれるのかが見えにくく、依頼する際に不安が残るからです。

また、ただサイトが存在するだけでなく、定期的に実績やお客様の声が更新されているかも重要なポイントです。ホームページが動きのある状態であれば、業者が積極的に活動している証拠。安心して依頼できる要素になります。

内容が充実したコンテンツをもっているかどうかも、ひとつの指標になるでしょう。

カード払い・キャッシュレス決済に対応していない不用品回収業者も、注意が必要です。

クレジットカードやキャッシュレス決済を導入するには、企業としての一定の信頼性と経営の安定が求められます。こうした支払い方法に対応していない業者は、企業としての体制が整っていない可能性があります。

また、決済方法が限られている業者はトラブル時の対応が不透明であったり、顧客の利便性を考慮していないことも考えられます。カード払いをはじめとした多様な決済手段に対応しているかどうかも、重要な判断材料になるでしょう。