2024年11月12日
「不要品回収を業者に依頼したら、高額な料金を要求されてぼったくられた」というお話を、たびたび耳にするようになりました。最近では、中古品買取業者を語る物騒な事件も発生し、政府や行政も注意喚起を行っています。
では、そういった悪徳業者や偽業者に引っかからないためには、どうしたら良いのでしょう?そこで、この記事では、悪質な業者を見極めるためのチェックポイントや対処法を徹底的にご紹介。自己防衛のためにも必読です!
悪質な不用品回収業者が急増中
ネットやチラシの「不用品を無料で回収します」という謳い文句には、必ずと言っていいほど注意が必要です。真に受けて依頼したら、「この回収品は対象外」とかえって高額な料金をぼったくられたとのトラブルが後を断ちません。
また、ある日突然、電話がかかってきて「不用品を回収しますので、使わないブランド品や家具などはありますか?」と尋ねられたら要注意。その業者は悪質な業者や偽物の業者で、お宅の資産を調べているだけかもしれません。
国民生活センターによると、不用品回収サービスについての相談は近年増加し、2021年度には2,000件を超えたとのことです。環境省も、無許可の回収業者を利用しないよう注意喚起しています。
要注意!悪質な業者の4つの特徴
不用品回収業はトラック1台あれば始められるため、安易に開業してしまう業者もいます。しかし、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」では、ご家庭から排出される不用品を、一般廃棄物処理業の許可を持たない民間事業者に、処理料金を支払って回収してもらうことを禁止しています。
また、一般家庭から出る多量のごみの回収には、自治体ごとにルールが定められています。例えば、札幌市では、一般財団法人札幌市環境事業公社以外の業者にごみの搬入施設までの収集運搬を依頼することはできません。そこで、当社では、ルールに則り、一般家庭から回収した不用品は札幌市環境事業公社に処理を委託しております。
では、不用品回収業者がいきなり自宅を訪ねてきたら、どうすれば良いでしょう?具体的なチェックポイントを解説します。
①突然訪問し、決断を急がせてくる
そもそも、突然の訪問や電話をかけてくること自体、「怪しい」と疑うべきでしょう。こちらに調べる準備や心づもりができていないところを狙って、急襲しようという悪徳業者の良からぬ意図が見え見えです。「無料」を強調する甘言に乗らず、絶対にドアを開けてはいけません。
そして、必ず心しておいていただきたいのは、「不用品回収に無料はありえない」ということです。考えてもみてください。行政でさえ大型ごみの回収は有料となるのですから、営利目的の業者が損をしてまで無料で引き受けることはありえません。
「無料で不用品を回収します」と謳っている業者は、十中八九、不法投棄を行っているので、法律違反に巻き込まれる可能性があり、厳重注意です。
もちろん、大型ごみを自力で処理施設へ運ぶのが難しいご家庭もあるでしょう。その場合は、ホームページなどで調べて、行政の法規に則って回収・処理を行う業者に依頼することをおすすめします。
②会社の住所・連絡先が不明
万が一、ドアを開けてしまった場合は、社員証や名刺を提示させましょう。会社の所在地や連絡先が記載されていない業者は、いわゆるペーパーカンパニーと呼ばれる実態のない違法なダミー会社である可能性が高いと言えます。
また、最近は個人企業でもホームページを持つ時代ですから、自社サイトのURLやメールアドレスが記載されていないのも不自然です。住所や連絡先が不明な業者は早々にお引き取り願い、けっして家の屋内に上がらせてはいけません。
③質問に答えてくれない、見積書・請求書を発行したがらない
回収業を名乗る業者からの電話やメールの場合は、見積書の提出を依頼しましょう。「無料だから見積書は不要」だとか、「現物を見ないと見積もりできない」とか、渋る場合は不正業者である可能性が高いと考えるべきでしょう。
また、質問をしても答えが曖昧だったり、返答や見積書を後日送信すると言いながら、なかなか送ってこない業者は後々もトラブルになりやすく、信頼性は低いと考えるべきです。
④制服がない、清潔感がない
不用品の回収業は、時に力仕事や汚れ仕事を伴うこともあります。そのため、スタッフに会社名や店名、ロゴの入った作業用の制服を支給している業者がほとんどです。また、不用品回収業者もサービス業ですから、近頃は身だしなみをきちんと整えるよう会社もスタッフも心がけているはずです。
制服を着用していなかったり、あまりに清潔感がなかったりするのは、見た目からして信用性が低いと考えるべきでしょう。
ちなみに当社では、「CES」というロゴと「クリーンエコロジーサービス」と社名が背中に入った作業服を着用して、回収作業を行っています。
悪質な業者に依頼したらどうなる?3つの過去の事例
「無料」をアピールしていた不用品回収業者なのに、実際に依頼してみたらとんでもない高額の請求をされた。営業時には「何でも回収する」と言っていたのに、例外品がいろいろあって特別料金としてぼったくられた。このような事例が多々あります。
また、その他にも以下のような実際に起きたトラブルの具体例がありますので、被害に合わないよう気をつけましょう。
①「クーリング・オフはできない」と書かれた書面にサインさせられた
転居時、インターネットで見つけた業者に、広告掲載の軽トラパック料金で不用品回収を依頼したところ、「実際に回収してみないとどの料金パックになるか分からない」との返答。
当日、男性作業員3名が2tトラックで来て、不用品を積み込み、20万円以上する2tトラックパック料金とオプション料を請求された。その上、「クーリング・オフはできない」と記載された書面にサインさせられてしまった。
特定商取引法では、契約書面を売買契約の相手方が受領した日から8日間は、クーリング・オフ(契約の解除等)を行うことが可能と定められています。また、「クーリング・オフできない」といった特約は無効とされます。
ただし、広告を見て自分から電話やインターネットなどで申し込んだ取引は、クーリング・オフできないので注意が必要です。かと言って、泣き寝入りする必要はありません。通販やネットで申し込んだ業者に「騙された」と感じたら、すぐ最寄りの警察署に被害届を提出しましょう。ぼったくりは詐欺行為です。諦めずに「犯罪は許すまじ」という強い気持ちで訴えましょう。
例えば、業者が自宅を訪問し営業されて契約した場合なら、訪問販売になりますので、クーリング・オフ制度の適用が可能です。契約書面を交わした日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して申し込みの撤回や契約の解除ができます。
②事前の説明と異なる、高額料金を請求された
倉庫内の不用品を処分しようと、インターネットで見つけた業者に電話で見積依頼。「軽トラックパック料金の全行程込みで2万円程度になると思う」との返答。
ところが、当日、2tトラックで作業員が来訪し、既に荷台の半分ほどに他人の不用品が積まれた状態で、2tトラック料金5万円+廃棄費用5万円=計10万円と言われ抗議。すると「消費税分だけ減額する。納得できなければ全不用品を下ろす」と言い返され、やむなく支払ったが納得できない。
見積は必ず明細を記載した見積書を受け取るようにして、見積内容に納得できない場合はきっぱり断りましょう。作業後に想定外の金額を提示された場合は、後日納得した金額で支払う意思があることを示しつつ、その場での支払いは拒絶すべきです。その際、万が一、身の危険を感じるようなことがあれば、すぐ警察に連絡を。
③ 処分を依頼したものが不法投棄されてしまった
「たとえ不審な業者であっても、安ければいいじゃないか」という考えは絶対にNG。なぜなら、無料もしくは法外な低料金で不要品の回収を行う業者は不法投棄をする可能性が高く、不法投棄は犯罪であり、犯罪に巻き込まれるリスクをはらんでいるからです。
札幌市でも、以下のような事例がありました。
2024年8月、札幌市内の空き地の一角に、およそ900kgもの壊れた冷蔵庫や洗濯機などの家電製品を含む廃棄物が不法投棄され、山積みされていたのが発覚。調べにより、その空き地に許可なく保管していたとして男性2人が逮捕。大量のごみの出所は、札幌市内の店舗付き住宅を解体して出た回収廃棄物とのこと。
廃棄物処理法により、不法投棄は5年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金が課せられると定められています。また、一般廃棄物(家庭のごみや不用品)の排出者にも責任があるとされ、この罰則が適用されます。
つまり、あなたにも罰が与えられる可能性があるということです。知らなかったでは済まされません。無料を謳うような不正業者に不用品回収を依頼すると、犯罪に加担することにもなりかねないということを心しておきましょう。
ぼったくられてしまった時に相談できる3つの場所
では、万が一、不正な回収業者によるぼったくり被害に遭ってしまったら、どうすれば良いでしょう?その際の対処法と相談先をご紹介しましょう。
①消費者センターへ連絡する
もしも、ぼったくりに遭って困った場合は、ひとりで悩まずに消費者庁の「消費者ホットライン」に相談しましょう。電話なら局番なしの「188番」へ。近くの消費生活相談窓口を案内してもらえます。
なお、電話する際には、下記をメモして相談員に伝えましょう。
- 不用品回収業者名
- 契約書や見積書
- やり取りの記録
なお、相談は無料ですが、通話料金は発生しますので、あらかじめご承知おきを。
②警察に相談する
ぼったくり行為は、本来「法的に無効」な行為ですので、提示された料金に納得がいかなければ、毅然とした態度で拒否しましょう。もしも、それに対して業者が居直ったり、怒鳴ったり恫喝したり、暴力的な素振りを見せたら、すぐに「110番」へ連絡して警察官に立ち会ってもらうことです。
ぼったくりは場合によっては詐欺罪に値しますし、脅しや暴力行為を行えば恐喝罪などの立派な犯罪ですから、警察による介入が必要となります。また、後日警察に相談したい場合は警察相談専用電話「#9110」番にかけると良いでしょう。その際には、やはり以下のメモなどを用意しておくと、相談がスムーズです。
- 不正が行われた日時
- 不用品回収業者の連絡先
- 見積書や明細
③弁護士に相談する
弁護士に相談するメリットとしては、法的な知識に基づいたアドバイスを得られ、中立的な立場ではなく、あなたの味方として動いてくれることです。ただし、弁護料金が発生することは覚悟しなければいけません。通常、弁護料は成功報酬が一般的で、経済的利益の5%〜30%と、弁護士や経済的利益額によって幅があります。
弁護士に相談する場合も、以下のメモや不用品回収業者とのやり取りの記録など、証拠となる情報はできるだけ用意しておきましょう。
- 不正が行われた日時
- 不用品回収業者の連絡先
- 見積書や明細
騙されないための5つの対策とは?
もちろん、不正な不用品回収業者によるぼったくり被害には遭わないに越したことはありません。業者へ依頼する前に、あらかじめ不用品回収に関する知識や最低限の法律について知っておくことも大切です。それによって、信頼できる業者かどうか見極めるチェックポイントも押さえられるでしょう。ここでは、そのチェックポイントについて具体的に伝授します。
また、当社のコラム「無料の不用品回収業者はなぜ存在する?リスクと安全な不用品処分方法」も、ぜひ参考になさってください。
①自治体のルールに則っているか・資格を保有しているか確認する
訪問してきた業者から名刺などを受け取る際に、免許や許可証の確認を行いましょう。なぜなら、廃棄物処理法で、一般廃棄物処理業の許可を持たない民間事業者は、家庭から出る不用品を代金と引換に回収・処理することを禁じているからです。
ただし、札幌市では札幌市環境事業公社が一括して引き受けることになっていますので、同公社ときちんと連携しているか、正規の廃棄ルートを守っている業者かどうか確かめる必要があります。
②事前にリサーチを行う、会社のホームページを調べる
業者側からアプローチされるままに回収を依頼するのではなく、まずは自ら回収業者をリサーチしておくことも大切です。会社案内やサービス内容に関するパンフレットを取り寄せてもよいですし、今はたいていの業者がホームページを所有しています。その際、以下の点について確認しましょう。
- 会社や事務所の所在地・連絡先が明示されているか
- 会社概要などの情報に各種許可番号などが掲載されているか
- 料金の目安やサービス内容が具体的に掲載されているか
- 担当したサービス事例が挙げられているか
- 見積り依頼を無料で受け付けているか
- ポータルサイトやGoogleマップの口コミ評価はどうか
- SNSでの評判はどうか…など
③複数の業者で見積もりを取り、料金相場を把握しておく
最近では、不用品回収業者の比較サイトやポータルサイトで複数の業者から一斉見積りを取ることもできますし、Googleマップで対象の地域にある複数の業者に見積りを依頼するのも良いでしょう。多数の業者から見積りを取り寄せることで、不用品回収の料金相場を知ることができます。
よくあるトラブルが、運搬するトラックのサイズによる見積です。業者が使用するトラックが軽トラか2t車かではなく、できれば回収・処分する物の単価で明細を出してもらいましょう。初期単価が安くても、オプション料金があるかどうかも要チェックです。
④書面で見積もりやメモを残す
数字や料金に関することは何においても基本的な一般常識ですが、見積りは口頭ではなく、必ず書面で提示してもらいましょう。郵送や手渡しでなくても、メールでも構いません。後日、実際に回収が行われてから請求された金額との比較検討材料になりますし、万が一、トラブルになった場合の証拠資料になります。
なお、見積書には以下が記載必須事項となります。
- ① 件名
- ② 宛先(あなた)の氏名
- ③ 見積書の発行日
- ④ 業者の会社名、住所、電話番号など
- ⑤ 見積書の有効期限
- ⑥ 税込見積金額
- ⑦ サービス名と数量・単価
- ⑧ 小計
- ⑨ 消費税など
- ⑩ 合計金額
- ⑪ 備考(納品方法や納期など)
⑤疑問点・不明点は放置せずに質問する、追加費用があるか確認する
さて、各業者が見積書の提出を承知してくれたら、今度は各見積書の比較検討です。合計金額が安いからといって、すぐにその業者へ依頼するのは早計というものです。パック料金はその内訳をできるだけ明解にしておくべきですし、オプション料金がどうなっているかにも注目しましょう。
疑問点は、すぐに業者へ質問してみることです。迅速にきちんとわかりやすく返答がある業者は、信頼できると考えられます。逆に「当日、回収する物を見ないとわからない」とか、具体的な金額を示さずに「オプション料金をいただく場合もあります」などと曖昧な返答をしてくる業者は怪しいと睨んで、発注しないほうが良いでしょう。
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この記事のまとめ
「無料で不用品回収」を謳い文句にした業者には要注意!かえって高い料金をぼったくられたというトラブルが後を絶たず、それどころか、不法投棄という犯罪に巻き込まれる危険すらあります。
不用品の回収には国が定めた「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が適用され、各都道府県や区市町村の行政区域ごとに細かなルールが規定されています。札幌市では家庭から出た一般廃棄物は札幌市環境事業公社が一括して収集運搬を行うことになっており、同公社と連携せずに回収や廃棄を行う業者はもぐりということになります。クリーンエコロジーサービスは一般廃棄物は札幌市環境事業公社様に処理を委託し、正規のルートで作業を行っております。
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